救急車の中で、居眠りしそうになった。
横に一緒にいた年配の看護士のナース服は贅肉ではちきれそうになっている。
「通しなさい」
助手席にいる救命士が叫んでいるけど、あまり効果がないみたい。
ストレッチャーに横たわっている女性の顔は白く、なんか塗ってんじゃねーか。
ふと、救急車の中を携帯のカメラで撮ってみようかとも思ったけど、さすがに不謹慎だと思ったり、贅肉まみれの看護士の視線も気になったので、やめた。
贅肉の隣にいた救命士が、大して興味なさそうに「おいくつですか?この人?」と尋ねてくる。
いくつだっけ?全然思い出せないので適当に答える。
病院の救急搬送の入り口で別の看護士が出迎える。
こいつも贅肉だ。
「どなた?」
ー赤の他人ですー
なんでだろう?みんな無関心で俺にも伝染してる。
素敵な夜メリークリスマス。
12時7分。
18時6分。
ー赤の他人ですー
マダラ模様。
頭の中で繰り返される言葉を振り払う力は…今はない。
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